繊細できめ細かい風合いを持つ美濃和紙。その歴史は古く、紙づくりの技術が伝わったのは、平安時代から鎌倉初期だとされています。江戸時代になると半紙、障子紙等各種の紙が漉かれ、丈夫なうえ、質の良さでも定評があり、全国的に名を馳せました。「流しすき」の製紙法で漉かれた紙を本美濃紙といい無形文化財として国の指定を受けています。千数百年の歴史をたどる過程で、芸術品としての価値を高めてきました。一方で、現代生活の中で多彩な形態をとって生まれ変わる和紙。芸術品的側面と実用品的な側面が再び見直され、新しい和紙文化がつくり出されようとしています。古くて新しいもの。和紙の可能性は無限に広がろうとしています。
紙の博物館機能と観光機能を有する、参加体験型の施設として平成6年10月にオープンしました。美濃和紙の魅力を「見て。触れて。体験できる」会館として、毎月多彩な企画展を開催しています。紙漉きの体験できるワークショップや秋に開催される国内外から公募される全国和紙画展は、新たな紙の表現を垣間見ることができます。
奈良時代に越前の名僧泰澄大師によって創建されたと伝えられる壮麗な社殿です。古来農桑の神として尊崇され各地から参詣者が訪れます。神社境内社叢は昭和31年に文化財天然記念物として、県の指定を受けています。また、ブッポウソウ繁殖地として昭和10年に天然記念物に指定されています。
大矢田神社本殿は、寛文12年(1672)に建造されたもので、妻をはじめ、各部に豪華で精巧な彫刻が施され、鮮やかな色彩で彩られた華麗さを誇る建物です。拝殿は本殿よりも古く、切妻檜皮葺きの建物となっていて国の重要文化財に指定されています。
長良川・上有知川湊の舟運は江戸時代初期川湊の番船制度により繁栄し、江戸時代を通じて、この川湊は上流郡上方面・下流岐阜・桑名方面との物資交流の場として、この地方の繁栄に重要な役割を果たし、明治初期まで物資輸送の中心でありました。現在も河岸に船着場跡の石畳と川湊灯台が残っています。
この公園には、関ヶ原の戦い(1,600年)後、この地を治めた戦国武将・金森長近公の居城がありました。現在も残っている石垣や階段に往時の面影を見ることができます。明治27年に小倉公園として開設された公園内には、遊歩道・遊園地・小動物園などがあり頂上の展望台からは長良川やうだつの上がる町並みを一望できる360°のパノラマが広がります。園内には、ソメイヨシノ・山桜など約1,000本の桜があり、桜の名所で知られています。
市北部(立花地区)の旧郡上街道地蔵峠にあり、村の繁昌と旅人の安全を守る素朴で美しい地蔵堂で、鎌倉時代末から室町時代初期のものと推定され、美濃市内最古の建築物で国の重要文化財に指定されています。
国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された、うだつの上がる町並みは、「うだつ」「塗りごめの家屋」「土蔵」など「和紙」で栄えた古の時代の情緒と伝統美を今に残しています。「うだつ」とは、火事の多かった江戸時代に、隣の家から類焼を防ぐため、屋根の両側設けられた防火壁のことです。現在19棟の「うだつ」が残っています。中でも、国の重要文化財に指定されている「小坂家住宅」は、江戸時代より続く造り酒屋。市指定文化財の「旧今井家住宅」には澄み渡る響きを醸し出す水琴窟があります。